レポート
2023.08.30

【開催レポート】富山ますずし学校1日目:ますずし作りを体験し、サクラマスについて学ぼう!

一般社団法人とやまミライラボは、富山の名産「ますずし」をテーマにした体験型学習イベント「富山ますずし学校」を、2023年8月17日(木)・18日(金)・21日(月)の3日間で開催いたしました。
参加したのは、富山県内在住の小学5・6年生20名。

ますずしの原料である「サクラマス」を起点に、海・川に起きている変化や課題について学びました。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、
海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

ますずしのルーツを学び、作り方を知ろう 

  1. ますのすしミュージアム
  2. ますずしづくり体験

1日目にまず向かった先は「ますのすしミュージアム」。ますずしの歴史や作り方について、スタッフの陶山さんに解説していただきました。ますずしは自然の恵みに感謝する神事が始まりと言われていること、8代将軍・徳川吉宗に献上したことがきっかけで富山に広まったと言われていることなど、子どもたちはこれまで知らなかったますずしのルーツに興味津々。3日間の学びへの意欲が高まったようでした。

工場を見学したあと、実際にますずしづくりを体験しました。笹を敷いて、ご飯を詰めて、魚を並べて…。苦戦しながらも、先生にコツを聞いたり、互いに教え合ったりして頑張っていました。完成したますずしを前に「早く食べたい」と待ちきれない様子だった子どもたち。「1日に何千個も手作りしている職人さんはすごい」という声もあり、富山が全国に誇る名産・ますずしへの愛着が湧いた時間でした。

高校生が考えたますずしの折り紙に挑戦!

  1. ますずしの折り紙に挑戦!
  2. 粘り強く取り組みました

「ますのすしミュージアム」で昼食を食べたあと、富山中部高校生が考えたますずしの折り紙に挑戦しました。富山中部高校の皆さんは、数学の研究の過程で「正八角形が笹を広げたますずしに似ている」と気付いたことがきっかけで、この折り紙を考案したそうです。折り紙という手軽なものを使って、地元の名産を広めたいという想いも話していました。

さっそく高校生から手ほどきを受けながらチャレンジ。簡単な折り方の部品を組み合わせて立体構造を作る技「ねじり折り」という難しい折り方もありましたが、真剣な面持ちで黙々と進めていき、なかには高校生より早く完成させた子も。みんな最後まで粘り強く取り組むと同時に、多様なますずし文化の残し方を学びました。

ますずしの原料・サクラマスについて学ぼう

  1. 富山県農林水産総合技術センター 水産研究所
  2. 水産研究所の古川さん

続いて訪れたのは、滑川市の「富山県農林水産総合技術センター 水産研究所」(以下、水産研究所)。まずは水産研究所の北川さんから、サクラマスの生態と増やす取り組みについて教えていただきました。神通川のサクラマス漁獲量は、明治時代に160トン以上だったのが、昭和50年代には7〜30トンになり、近年は1トンを切っているそうです。
大幅に減ってしまった主な要因として、河川環境の変化が挙げられました。「ダムの建設などによって、サクラマスの産卵場所や、稚魚の生育場所の多くが失われてしまった」と北川さん。水産研究所ではサクラマスを増やすために、飼育や放流などの取り組みを行っているとご紹介いただき、実際にサクラマスの飼育棟も見学。水産研究所の古川さんからは、サクラマスの成長に応じて海水と真水(深層水)を入れ替えるなど、なるべく自然に近い環境で飼育を行っていることを教えていただきました。

「海のサクラマスと川のサクラマス、見た目が違うのはどうして?」「水槽のサクラマスについているタグにはどんな意味があるの?」など、子どもたちから次々と質問が飛び交っていました。

高校生が取り組むサクラマスの研究について

  1. 滑川高校海洋科の高校生のみなさん
  2. 学びを深める子どもたち

続いて「滑川高校」へ。この3日間、子どもたちのサポートをしてくれている海洋科の高校生たちに、学校で取り組んでいるサクラマスの研究についてお話していただきました。サクラマスの授業を行なっているのは、全国でも同校だけだそうです。サクラマスの飼育や放流などの活動をしているほか、飼育時に残ったエサやふんを肥料に活用してバジルを育て、「サクラマスのバジルオイル缶詰」として商品化していることなどをご紹介いただきました。

さらにサクラマスは絶滅が危惧されていることや、ほかにも産地があることに触れた上で、「絶対に富山県が(飼育や放流に)取り組まないとダメだと思わない?」と投げかけた高校生たち。子どもたちも年の近い高校生の話を聞いて、川や海の環境に対する危機感や、「自分にも何かできることがないか」という使命感駆られた様子でした。

初対面同士でもすっかり仲良くなり、学びを深めた参加者の皆さん。
2日目は、サクラマスの気持ちになって川や海のアクティビティに挑戦です!

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