お知らせ

富山県氷見在住の魚料理研究家「昆布」による連載コラムvol.35

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あったかーーーい!!!

 

思わずそう叫びたくなるような素晴らしい陽気が続いています。
元々地元東京にいた頃も曇りや雨になると気分がいまいち盛り上がらなかった性分なのですが、冬の長い北陸に住んでいるとこんな陽気には余計に興奮してしまうわけで…

景色に変化が

  1. 初夏の氷見らしい景色

5月になり、氷見の景色には変化が。
燦燦と降り注ぐ陽の光に照らされて海や山は鮮やかに輝き、言葉では形容し難いほどの美しさです。

震災以降道路の液状化で激減していたサイクリストは、道路の復旧や気温の上昇に伴って徐々に増えてきました。彼らが海を走る姿は初夏の氷見らしい景色の一つ。

ちなみに氷見では、駅や漁業文化交流センターなどでレンタサイクルがあります。乗りなれたママチャリから、長距離の走行可能なロードバイクまで取り揃えているので、まちなか周遊だけでなく海沿いをひたすらに走ってみるのもおすすめ。この初夏の氷見を全身で楽しんでもらえたら嬉しいです。

4月のサカナとサウナはそんな氷見を飛び出し、富山県内の様々な場所に出店。
その中で富山県の様々な魅力を実感しました。朝日町の四重奏の美しさや、富山県護国神社の熱気、南砺井波の歴史ある建物を改装した様々な新店舗の勢い、などなど。

そして特に印象に残ったのが、立山町でした。
立山町への出店は、カフェ兼雑貨屋の「巣巣」さんからの、巣巣店内にてサカナとサウナによる夜のお食事会の開催を打診していただいたところから始まりました。
その後翌日の夕方にこれもまた巣巣店内で行われるアコースティックライブの観客の皆さんに向けて、サンドイッチも販売させていただけることに。それだけでも十分すぎるほどありがたかったのですが、その後立山町で牧場・農園・宿泊施設を運営する坂口創作さんをご紹介していただきました。お話をお伺いすると、巣巣でのお食事会の翌日のお昼に坂口さんが春のピクニックイベントを牧場で開催するとのことで。そちらでもサカナとサウナとしてサンドイッチやカレーを販売できることになったのです。

スケジュールに起こすと、

4/27 夜お食事会
4/28 昼牧場内イベント・夕方ライブイベント

という2日間で3イベントの大車輪での稼働をさせていただきました。

イベントは大盛況

巣巣さん、坂口さんの手厚いご協力により、全てのイベントは大盛況。

牧場内イベントは多くの家族連れで溢れ、子供たちがブランコを取り合い、用水路では水遊びをしていました。当日は息子にも普段海沿いの暮らしではできないような体験をさせたいと、家族を氷見から呼び寄せました。
息子は牧場内を歩き回っていたポニーのクローバー君に興味津々。当日強い日差しの中でまっかっかになった顔で満面の笑みを作りながら、「ぅま!」と叫んでいました。
翌日牧場でのピクニックの感想を訪ねると、お馬さんをみんなで見たということを興奮しながらもしっかりとした言葉で伝えてくれました。
たくさんの経験が彼の感性を豊かにするんだろうなとじんわりと感じ、これからも様々な場所に連れていきたいとしみじみと思いました。今年の夏は富山湾に触れてほしいなぁ。

ーーーーもうすぐ、僕と彼が親子になってから丸2年を迎えます。

カルパッチョについて

さて、ここからは富山湾のお魚について。

タイやサヨリなどの春の魚が出そろいそれぞれが最盛期を迎える中、初夏の魚であるスズキやヤリイカが水揚げされるようになりました。

かと思えば、本来であれば4月下旬には市場から姿を消すはずのイワシがまだとれていたり、遅れて回遊してきた冬の旬ブリが市場に並んでいます。5月の氷見漁港は季節が入り乱れる面白い様相を呈しており、毎日どの魚が水揚げされるのか予想が難しくなっている一方で、たまにはその全てが獲れる宝石箱のような日もあったりするのです。

先日の巣巣さんでのお食事会に向けた仕込みの日にはそんな宝石箱デーがあり、様々な魚を使ったお料理をご提供することができました。
イワシ、スズキ、ヤリイカ、ハモ、ブリ、クロダイ、ベニズワイガニ、ホタルイカなど、なんと8種類!
立山町の皆さんに氷見の多彩な魚を味わっていただけて本当に良かったなぁ。

5月はそのように多彩な季節の魚が揚がる面白い季節ですが、そんな時に試してほしい料理こそ、「カルパッチョ」。

当コラムでも度々話題に上がる料理で、僕の大好きな料理のひとつです。
カルパッチョのいいところは、ある程度テキトーでも許されてしまうところ。
野菜の上に薄切りの魚介をのせ、ソースをかけたら完成するんですもん笑。

しかしその分自由度は高く、その季節ごとに獲れる魚や野菜で変化がつけられるのが特徴です。今の季節だったら春の旬の鯛と、山に所狭しと生えている山菜「セリ」を合わせて、サッパリとした醤油ベースのソースをかけたカルパッチョを作ってみたり。出始めのスズキを昆布締めにして旨味を増幅させ、みずみずしい新玉ねぎのスライスの上に薄く切って乗せて、パンチの強いショウガベースのソースを合わせたカルパッチョを作ってみたり。
ちょっとしたアイデアと使う食材の種類で大きく様変わりする料理、カルパッチョ。季節を巡りながら今年も様々なバージョンを作っていきたいですね。

そう!カルパッチョは、自由だ!!!

魚料理研究家【昆布】

東京都葛飾区出身、1993年生まれ。
大学卒業後、大手スーパーの鮮魚部に勤務。
旅行で訪れた富山県氷見のあまりにも新鮮な魚に一目ぼれし、2019年10月氷見へ移住。
2023年8月には、魚料理専門店「サカナとサウナ HOTEL&DINER」を開店。
地元の魚屋・漁師・料理人と語らいながら、日々魚料理の新たな可能性を素材と調理法の両面から研究中。

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