ますずしに押しずし、かぶらずしなど郷土料理としてたくさんのすしがある富山県。
どうしてこのようなすし文化が根付いたのか?おいしさを支える3つのヒミツとは…??
一方で、環境の変化などによって将来すしが食べられなくなるかもしれない!?
参加した児童が「富山湾すしレンジャー」の一員になって、富山のすしを大調査してきました。
【開催日時】
2024年7月25日(木)~7月27日(土)
【場所】
富山県内各所
2日目の早朝、3時に起床して向かったのは魚津漁港。魚津漁業協同組合の浜住組合長に、漁港の中を案内していただきました。
この日はいつもと比べて水揚げ量が少なかったそうですが、競り場にはウマヅラハギ、タチウオ、アマダイ、ケンサキイカ、岩牡蠣など、多種多様な魚が並んでいました。
浜積組合長から「なぜ魚に神経締めをするの?」「札やタグの意味は?」などと問題を出されると、みんなで一生懸命考えながら答えていました。
また、海水温の上昇などの要因から、とれる魚の種類や時期が変わってきていることも教えていただきました。
最後に、朝5時から始まる競りを見学。前日に入札の仕組みについて予習していた子どもたちですが、生で見る競りの活気に圧倒されていました。
続いて訪れたのは、地域密着型のスーパーマーケット・原信の魚津店。
地元の魚が売り場に並ぶまでの流れを学習します。
富山県は漁場が近いことから「水揚げされてから市場、仲買人を経て、お店に到着するまでの時間が短い」と前田店長。実際に売り場を見学すると、地元で今朝とれた魚が午前10時台には並んでおり、子どもたちは「さっき見た魚だ!」と感激していました。
原信では、魚をお刺身やお惣菜などにすることで食べやすくしているほか、食品ロスを減らすための取り組みにも力を入れているそうです。
みんな前田店長の話に終始興味津々で、「よく売れる魚は?」「以前に比べて仕入れが難しくなっている魚は?」「売れ残った魚はどうしているの?」と、質問も止まりませんでした。
富山の魚の新鮮さを体感した後は、すしを構成する水・米のヒミツにも迫ります。
まずは「水」。地質学者の巽さんに、富山の水がおいしい理由を解説していただきました。
軟水から硬水まで6種類の水を飲み比べて、成分によって味わいや口当たりが異なることを知った子どもたち。
富山の水は「飲みやすい」「おいしい」といった感想が多く聞かれました。さらに、黒部市生地の清水(湧水)をめぐり、森・川・海のつながりを肌で感じました。
続いては「米」。富山米新品種の開発などに取り組んでいる富山県農業研究所を訪れました。
米どころとして知られる富山県では、立山連峰からの豊かで清らかな水により、おいしい米が育てられています。
とくに近年の猛暑にも耐えられる品種として開発された「富富富」は、冷めてもおいしいことが特徴だそうです。
子どもたちは圃場の見学や米の食べ比べを通して、富山の恵まれた自然環境と、同研究所の職員や農家のたゆまぬ努力を知りました。