富山湾を代表する海の幸・シロエビの漁が11月末で終了します。今シーズンは、元日に発生した能登半島地震の影響も懸念される中、記録的な不漁に見舞われました。県の水産研究所によると、4月から10月の漁獲量は155トンで、前年の3分の1(531トン)まで落ち込みました。これにより、新湊きっときと市場では、シロエビ料理の提供休止や商品の値上がりが発生しました。
射水市の新湊漁港では、シロエビ漁船の船主・野口和宏さんが20日間の休漁を経験。漁師たちは、過剰漁獲を避けるため、グループごとに交代操業するなどの工夫を続けてきました。その結果、今年3月には水産資源の持続可能な利用を評価する「水産エコラベル」を県内で初めて取得しました。
10月に入り、漁獲量が例年並みに回復する兆しが見られました。野口さんは「まだ物足りない部分もあるが、漁師や仲買人にとって明るい兆候」と話します。専門家は、地震による海底地すべりがシロエビの生息環境に影響を与えた可能性を指摘。来年の漁の回復を祈るばかりです。