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2025.09.05

【連載コラム】現役海洋大生が教える!地元富山・海遊びのすすめ

海を眺めているだけじゃ、もったいない!?

 

みなさん、こんにちは!東京海洋大学の大屋進之介です!
暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。夏の日の朝や夕方、海辺を歩くと、涼しい風に吹かれてとっても気持ちが良いですよね。
日中はちょっと暑くて海に入ってしまいたいくらい…。そうです!入っちゃえばいいんです!!夏は海を眺めているだけじゃもったいない!ということで、3回目の今回は、夏におすすめの初心者向けマリンアクティビティをいくつかご紹介しようと思います。
海のスポーツ、さいっこうに楽しいんですよね~~!
夏後半は、富山の海を、さらに一歩踏み込んで、その魅力を体を動かしながら、感じてみましょう!

マリンアクティビティって??

さて、みなさんはマリンアクティビティ、体験したことはあるでしょうか。マリンアクティビティとは海上や海中、海辺で行うスポーツなどの活動の総称で、マリンスポーツとも近い言葉です。例えばスノーケリングやダイビング、ヨットやサーフィンなどなど。海の楽しいアクティビティは様々ありますよね。普段は見ることのできない、海の中をちょっと覗けたり、海の上で風を感じながら進んたり、海のアクティビティでしか味わえない楽しさがあると思っています。僕は最近サーフィンをはじめました!(東京拠点の時に江ノ島に行ってやっています!)まだまだひよっこですが、波に乗って海を爽快に駆け抜ける瞬間、最高なんですよね~ 今回は入門編として、スノーケリングと磯観察、SUPの3つを紹介してみようと思います。

① 海の世界を覗いでみよう!スノーケリング

ではここから具体的な海の遊びを紹介していきます。まずはスノーケリング。
スノーケリングとは、マスクを着けて海中で息をしながら泳ぐことができるアクティビティのこと。
海の表面を漂いながら中の世界を観察することができます。魚が海の中を悠々と泳いでいたり、砂や岩にじっと隠れる生き物がいたり、彼らの本当の暮らしを少し覗ける魅力があります。富山でスノーケリングをしたとき、クロダイの群れが目の前を通ったことがありました。スーパーとも水族館とも違って、ヒレを優雅に動かして通り過ぎる姿に感動しました。少し追いかけたけど、全く追いつけなくて、海の中では魚たちが主人公なんだと改めて思った瞬間でもありました。そんなスノーケリングはまずは足がつくところから始めるのがおすすめです。泳げなくても、ライフジャケットで浮きながら、フィンをつけて進むことができます。後述しますが、海況や海流、体調に気を付けながら、安全に魚たちの世界を覗いでみましょう。
富山のおすすめスポットは雨晴海岸。足がつく範囲に岩場があり、ハゼやフグ、ボラなどを観察することができます。

② 岩に隠れた生き物みっけ!磯観察

次に紹介するのは磯観察です。
磯観察とは岩場の浅いエリアに残った生き物を観察したり採取したりするアクティビティのこと。
潮が引いた干潮の時、特に大潮の頃は、岩場が広がり観察がしやすくなります。潮が満ちると海に沈む場所でも、潮が引くと陸地になる部分(潮間帯)と、そこに取り残された潮だまり(タイドプール)があり、そこで生き物を探すということです!カニやヤドカリ、貝などが簡単に観察・採取できます。ハゼやギンポ、フグなどの魚も見られます。大きな天敵が入ってこられない磯は小さな魚や稚魚たちにとって安全に成長できる場所なのです。岩に隠れていたり、石をひっくり返すと見つけたり、宝探しのようにワクワクしながら生き物を採取できるのが磯観察の醍醐味です。用意するのは小さなタモと箱メガネ!魚たちと知恵比べしながら網で上手にとってみましょう!
足元は滑りやすいので要注意です。必ずビーチサンダルではなく濡れても良いスニーカーやマリンシューズを履くようにしましょうね。

③ 海の上でスーイスイ!SUP

最後にご紹介するのはSUPです。
SUPとはスタンドアップパドルボード(Stand Up Paddleboard)の略で、サーフボードのような板に立って、海の上を漕いで進むマリンアクティビティのひとつです。波の無い穏やかな凪の日に、ボードに立って海上を散歩します。少しスリルもありますが、陸の上では感じられない爽快感が味わえます!またサーフボードよりも大きく安定しているので、マリンアクティビティに慣れていない方でも安心して楽しむことができます!全身の感覚を研ぎ澄まして、バランスを取りながら、海を感じる。きっといい刺激が得られること間違いなしです!
体験を行うときは道具をレンタルしたりインストラクターに教えてもらったりしながら安全に楽しみましょう。
もっと富山で楽しめる体験会やイベント、事業者さんが増えるといいな~~

マリンアクティビティは安全が何より大切

マリンアクティビティを行うときは、何より安全に注意しましょう。海は天候によって危なさが大きく変わります。風や波のある日にスノーケルは当然危険(離岸流という急な沖に向けた流れにも注意が必要)ですし、満潮の時の磯観察も一歩間違えれば溺れてしまいます。SUPも海が穏やかな時のアクティビティ。これくらいは大丈夫。とは絶対思わず、最大限慎重に活動してほしいと思います。海況をよく把握して無理しないこと、それから岩などでケガしないこと、そして暑さにやられないこと。クラゲなど毒をもつ生物にも注意が必要です。慣れないうちはできるだけインストラクターや有識者・経験者と遊ぶようにしましょうね。ちょっとでも危なかったらその日はやめましょう。
でも大丈夫!海はどこにも逃げません!必ず次遊びに来るのを待ってくれているはずです。危ないから何もしないのではなく、正しい知識と関心で海に親しむことが大切だと考えています。

海で遊ぶ人が全然いない…!?

  1. 日本財団「「海と日本人」に関する意識調査 2024」より引用

さて、ここまでマリンアクティビティの魅力をたっぷりご紹介してきましたが、最後は真面目はお話。
前回のコラムで釣り人口が減っている話をしましたが、マリンアクティビティも例外ではありません。
そもそも海水浴を楽しむ人も激減しており、ここ20年で4分の1になったという衝撃的なニュースも聞かれます。当然以前より娯楽の数が増え、海は選択肢のひとつに過ぎません。ましてやマリンアクティビティはお金や時間、テクニックも必要でなかなかハードルが高いことも頷けます。
でも他の体験では得難い刺激や癒し、そして学びがあります。一度は経験しておくと、大人になった時に楽しく話せたり子供を連れていけたり、実は大事な素養なのではとも思っています。(スキーなんかはまさにそうですよね。小さい時に体験していれば大人になっても行きやすい感覚があります。)
富山県民なら海の遊び、一回は経験しておいてほしいなと思います。そしてそのためにはそれが気軽にできる環境も重要です。この先、そのようなイベントや事業者さんが増えて、もっと多くの方々がマリンアクティビティを楽しめるようになることを期待しています。

■かいたひと

  1. 大屋進之介

東京海洋大学博士後期課程1年。富山市出身。富山中部高校卒業後、本学に入学し海と魚の学びを続けている。専門は「海洋教育・海業」で、一般の方々に海洋や水産を効果的に啓蒙しリテラシーを高めるための研究に従事。富山を中心に各地で海洋教育の企画や運営を手掛ける。好きな魚はウマヅラハギ。好きな漁村は気仙沼。

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