【連載コラム】現役海洋大生が教える！地元富山・海遊びのすすめ | 海と日本PROJECT in 富山県

　海洋大学、みなさんご存知でしょうか？そうそう、あの“さかなクン”が客員教授を務めている大学です！全国から海好き・魚好きが集まり、海の課題を解決するために日々切磋琢磨しています。僕の専門は「海洋教育」。海や魚、水産業の魅力や課題をより多くの方々、特に子どもたちに伝えるための研究や活動を行っています。出身が富山！ということもあり、今年度は富山テレビさんと一緒に「深海研究スーパーキッズ育成プロジェクト」や「海の家プロジェクト」など、たくさんの活動を一緒に行っていきます！このコラムでも、読んでくださる皆さんに、海にいってみよう！遊んでみよう！！と思っていただけるきっかけとなるよう、楽しく書いてみようと思います！今年度は全10回の連載予定です。どうぞよろしくお願いします！

さて、みなさん海は好きですか！？遊んでいますか？？

富山は海も近いし、魚も美味しいし、なんといっても富山湾は「世界で最も美しい湾クラブ」にも加盟していて…　そりゃみんな、海には日々行っていますよね！？

と、言いたいところですが、実は近年そうでもない現状があるみたいです。
日本財団が2024年に公表した日本全体での海の意識調査である「「海と日本人」に関する意識調査2024」によると、この1年間で一度も海に訪れていない人はなんと全体の52％、それも2019年からの5年間で19％も増加しているんです。日本全体で、特に若い世代を中心とした「海離れ」が進んでいるのです。

この海離れ、原因はなんでしょうか。海に行く時間がない！海は日焼けする！汚れる！

こんな声が聞こえてくるかもしれません。もちろん昔から比べると、経済的な事情や海水浴場の減少など、制約が増えてしまっているのは否定できません。しかし僕は一番大きな原因のひとつが「海を知らなくなったこと」だと思うんです。

子ども達やその保護者が、海での遊び方、魚の食べ方をあまり知らなく（学ぶ機会がなく）なり、そして生活と海のつながりを感じなくなってしまう。こうなると興味関心も下がってしまい、ますます海には行かなくなる…　このような負のスパイラルが起きていると考えています。

僕からひとこと。もったいない！！！！

　だって海は楽しさも喜びも、怖いなと思う気持ちも使命感も。色んな生きる力を与えてくれるからです。僕は小学生のころに地元の水橋漁港に出かけていき、釣りをきっかけに海で遊ぶようになりました。そこから海や魚の世界にどっぷりはまり、中学では毎週漁港の水揚げを見に行き、高校では生物部でホタルイカの研究をし、気づけば大学でも同じ勉強を続けていました。海のリアルを教えてくれる現場のプロ（先生！）にもたくさん出会いました。実際に見たり食べたり話を聞いたり…　こんなにも実際の生活と繋がっていて、かつ地球規模でもある分野はなかなかない！そう思ってずっとはまり続けています。

海と「遊ぶこと」。それは「学ぶこと」だと僕は思います。

様々な遊びを通して、海に親しみ、海を知り、利用しながら守っていく。まずは遊んでみることで、海の楽しさも命の大切さも、生活するうえでの重要性も。遊んでいるうちに、それが自然と学びに繋がります。そして少し先の将来、みんながみんな海の業界に進まなくとも、海に親しみをもった人々が当たり前のように沢山いたら、きっと海が抱える問題を解決するために、世の中全体でアクション出来る社会になると思うんです。そもそもみんなが近い将来、居酒屋でアジとマグロの違いを当たり前に分かって楽しめるだけでも豊かな社会だとも思うし（笑）

とにかく、まずはいろんな遊びをしてみること！せっかく富山県は豊かな海があって、遊んで学ぶ環境に恵まれています。だからこの連載では、現役海洋大生が教える！富山での海の遊び方を、毎回紹介してみようと思います！海水浴や釣り、魚のお料理などなど、季節に合わせてご提案していきます。乞うご期待です！！

小学生のころ、釣りをしながら真っ青に広がる海を見て、この中にはどんな世界が広がっているんだろう…とワクワクしたことを覚えています。だって想像もしていない魚が釣れたり獲れたりするんですから。そのワクワクは今も全く変わっていません。

ということで、新たなワクワクを見つける海の旅に、出発しましょう！！

東京海洋大学博士後期課程1年。富山市出身。富山中部高校卒業後、本学に入学し海と魚の学びを続けている。専門は「海洋教育・海業」で、一般の方々に海洋や水産を効果的に啓蒙しリテラシーを高めるための研究に従事。富山を中心に各地で海洋教育の企画や運営を手掛ける。好きな魚はウマヅラハギ。好きな漁村は気仙沼。