お知らせ

富山県氷見在住の魚料理研究家「昆布」による連載コラムvol.36

あ・る・こう~、あ・る・こう~、私は元気~♪

最近は頭の中でそんな牧歌的なBGMを流しながら、氷見中を文字通り歩き回っています。店が休業中で暇だから…ではなく、自身の健康のため。

最近は1歳の息子に合わせて生活をしており、就寝はなんと21時。息子はそのまま朝6時に起きるのですが、僕はそんなに寝ると逆にシャキッと目覚めることができず、色々と調整した結果7時間睡眠で朝4時に起きる生活に。朝7時の朝食までの3時間は、当初図書館から借りた本をひたすら読んでいました。しかし長年の運動不足による筋力の低下で長時間の座り姿勢に身体が悲鳴を上げ、腰と骨盤が痛くなってしまったのです(30歳で情けない…)。

これはいかんと朝の時間やスキマ時間を使って軽い筋トレや散歩を始めました。1か月ほど続けているとじょじょに腰痛も収まり、少し姿勢もが良くなった気がします。そして歩いていると身体的だけではなく、精神的にもいい影響があるもので。

ある日、家の近くに野菜を育てている方が多くいることに気づきました。少し歩くと道の両側が田んぼや畑だらけなのです。車では通らないような道なので近所でもこれまで全く気がつきませんでした。
その中で美味しそうなイチゴをせっせと収穫しているおばあちゃんを見かけ、これがいつも直売所で買っているイチゴなんだなぁと気づかされました。
道すがらにこのような様々な発見があることが、とても楽しいのです。

氷見の魅力

  1. だるま朝日
  2. 興味津々

そんな中でも特に印象的だったのは、朝の散歩の時。

朝4時ごろから海沿いを歩いていると、偶然「だるま朝日」に遭遇しました。蜃気楼の効果で、富山湾からまるでだるまが上がってくるように見える日の出のこととは知っていましたが、実際に見るのは初めて。氷見では5月下旬から6月上旬までに見えるんだとか。
この時期の日の出の時間は朝4時帯なので、こんな生活にならなければ見れなかった景色ですね。

そして息子とも登園前や帰宅後散歩に出かけます。最近は色々なものに興味があるようで。

道でせっせと動いているアリやクモをしゃがんでジーっと眺め、浜辺に落ちている松ぼっくりや流木を拾っては投げたり振り回し、氷見線の気動車が通るたびに嬉しそうに手を降っています。夜は草むらで響き渡るカエルたちの鳴き声に興奮し、空に浮かぶ月や星を指さします。
なんだか彼が一番氷見を楽しんでいるようです(食事の面でも夕飯に魚料理が出ると血相変えてむさぼりついてますし)。
息子に負けじと、僕も歩きながら更なる氷見の魅力を見つけていきたいものですね。

富山県栽培漁業センター

そんな散歩の中で見つけた氷見の施設をご紹介。
その名も、「富山県栽培漁業センター」。

これからも持続可能な漁業を目指す「栽培漁業」をリードする活動を行っている施設です。
栽培漁業を簡単に説明すると、魚を卵から人間の手で育ててある程度のサイズの稚魚になった時点で海に放流したのち、海の中で大きくなった魚を漁師が漁獲することで、海の資源を守りながら漁業を行っていく取り組みです。富山県栽培漁業センターでは、そのような取り組みを様々な展示や遊具を通して子供が楽しく学ぶことができます。

実際の生育中の稚魚を水族館のように見ることができたり、餌をあげたり、軍手をつけて稚魚に直接触ることができたりとアクティビティも盛りだくさん。

先日同じく1歳の息子がいる友達家族と一緒に行ったのですが、子供たちは大興奮。うちの息子はひたすら海老の稚魚を指さして「エビ!エビ!」と叫ぶも、せっかくのエビにタッチできるコーナーでは、「こわい…」と逃げ出してしまいました。
もう少し大きくなったら違う楽しみ方ができる施設だと思います。大人の僕も非常に楽しく学べました。ぜひお子さん連れでも、カップルでも(ヒラメのタッチで意外と二人の仲が深まるかも…?)訪れてみてくださいね。

お帰りの際には、センターのすぐ近くにある「ひみのはな」というとても素晴らしい温泉を備えたホテルにて日帰り入浴をしていくのもおすすめですよ。

 

ひそかな“推し”…ボラ

さて最後に、富山湾で獲れる魚をご紹介。
夏の旬の岩ガキやトビウオが獲れ始め、アジは非常に大きいものが魚屋に並んでいます。その中でめったに店頭に並ばないものの、密かに僕が推している魚が。ボラ。

比較的浅瀬でも釣れることから、釣り人にはよく知られたお魚ですが、浅瀬で釣れるものは水質があまりよくないところで生息しているものなので、どうしても身に独特な臭みが出てしまいがち。そんなわけで一般的に「臭くて美味しくない魚」とされがちなのですが、沖合で獲れるものはその臭みはなく、非常に美味しいです。
そんな沖合で獲れた美味しいボラは氷見では白ボラと呼ばれ(水質の悪いところで獲れたボラは茶色く変色して茶ボラと呼ばれる)、一般的な印象が良くないため主にフライなどの加工用として取引されています。

しかし大きな白ボラが手に入った時におすすめしたいのは、お刺身。赤身の深い血合い部分と透き通った身のバランスが絶妙で、旨味が強いのが特徴です。おととしの夏はお店でフォーを出した際に仕上げにボラのお刺身を乗せて、温かいスープに触れさせて湯引きの刺身風にしたものが非常に好評でした。
まだまだ富山湾には掘り出し魚がたくさんいますので、ご興味ある方はぜひ氷見のローカルな魚屋さんを訪ねてみてくださいね。魚屋さんが威勢のいい声で色々と説明してくれると思いますよ。

魚料理研究家【昆布】

東京都葛飾区出身、1993年生まれ。
大学卒業後、大手スーパーの鮮魚部に勤務。
旅行で訪れた富山県氷見のあまりにも新鮮な魚に一目ぼれし、2019年10月氷見へ移住。
2023年8月には、魚料理専門店「サカナとサウナ HOTEL&DINER」を開店。
地元の魚屋・漁師・料理人と語らいながら、日々魚料理の新たな可能性を素材と調理法の両面から研究中。

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