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2022.07.01

富山県氷見在住の魚料理研究家「昆布」による連載コラムvol.14

「猛暑」「酷暑」「炎天下」

なんとも騒々しい言葉の数々が、
連日新聞やネットニュースの見出しに躍っています。
富山は先月の28日に梅雨明けを迎えたのですが、
これは統計開始以来最も早く、
かつ6月中の梅雨明けは初めてなんだとか。
梅雨の期間に際してもあまりまとまって雨が降った
という印象はなく、まとわりつくような暑さが続いていたような…。
内陸と比べて比較的涼しいとも言われる氷見でも
気温は平気で35℃を超え、体温を上回るのが当たり前に。

浜風が熱風へと変わる中、
氷見の海水浴場の整備が佳境を迎えようとしています。

梅雨明けにつられて、
「史上最速の海開き」なんてことにはならないのでしょうか。
あぁもう早く海に飛び込みたい。
早朝に海で泳いでから昼営業開始だなんて、
氷見のお店らしいことをしたい。
なんだか暑さで変なことを考えているような。

ちょっとクーラーの温度を下げてきます…。

 

万能魚シイラ

さて気温が高くなるにつれて魚の漁獲量が減ってきました。
例年8月のお盆付近にかけて段々と水揚げされる魚が少なくなってくる状態を、
「夏枯れ」と呼びます。

今年は急激な水温の上昇に加えて、能登沖での地震も影響しているのか、
例年よりもガクッと魚が減ってしまったような。
そんな中でも少しづつ獲れ始めているのがこの「シイラ」。
元々は南方系のお魚でハワイなどではバーガーの具として人気のあるお魚です。
近年温暖化の影響もあり、
夏から秋にかけては氷見漁港でも数多く水揚げされています。
ですが富山県内では人気はいまひとつ。
理由は消費者からの知名度が低いことと、
シイラにピッタリなレシピの提案(鰤のしゃぶしゃぶや鯵の南蛮漬けのような)が
できていないからではないかと思っています。
でも知られていないだけで、シイラはどんな調理にも合う万能魚。
加熱しても硬くなりづらいのでフライにするとふっくら食感に。
癖のない味わいなので、西京漬などの濃いめのタレもぴったりです。
大型のものが手に入ればお刺身に。
新鮮なものは鰤のような脂の甘みを感じます。
様々な魚が減っている中で、珍しく増えている万能魚シイラ。
この魅力をみなさんに知ってもらってどんどん人気魚になってくれたらと、
しみじみ祈る今日この頃です。

 

さてそんなシイラにもピッタリな料理のご紹介。

魚のごま焼き

【材料】
・切り身 200g程度
・しょうゆ 大さじ1
・みりん 大さじ1
・酒 大さじ1
・ニンニク 1片
・白ごま 大さじ3
・黒ごま 大さじ1
・ごま油 適量

 

❶切り身は一口大に切って薄く塩を振り、10分ほど置いて水気が出たらよく拭き取っておく。

❷しょうゆ・みりん・酒・すりおろしたニンニクを合わせたタレに、切り身を入れて10分程漬け込む。

❸切り身をタレから取り出し、軽くキッチンペーパーで水気をふき取ったら、2種類のゴマをバットにあけて切り身の両面にまぶす。

❹ごま油を弱火で熱し、切り身を並べる。焼き色が付いたらひっくり返し、反対側もこんがりと焼けたら皿に盛り付けて出来上がり。

 

シイラをはじめ、どんなお魚にも合う万能レシピ。2種類のゴマの香りが食欲をそそります。是非お試しあれ。

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