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富山県氷見在住の魚料理研究家「昆布」による連載コラムvol.5

202110konbu11

寒い日はとことん寒く、暑い日はとことん暑い。寒さが和らぐときには新緑の芽吹きを祝い、暑さが和らぐときには豊富な食材の恩恵にあずかる。

そんな氷見に移り住んで、2年が経ちました。移住のきっかけは、やっぱりお魚。
氷見に旅行で来ていた2年半前のある日、夕食用に魚を捌きました。
その時にふと、エラの匂いを嗅いでみたのです。常日頃、僕は魚の鮮度をエラの匂いを嗅ぐことで判断しています。
生臭い匂いがしたら鮮度が悪く、無臭のモノは新鮮。ですがその時は、魚から「海の香り」がしたのです。
それはまさしく、水揚げされたばかりの魚である証拠。

今までに経験したことのないような新鮮さに、本当に驚いたことを覚えています。
しかもその魚は漁師さんや釣り人に譲ってもらったものではなく、スーパーで普通に売られていたものだった、ということも衝撃でした。

その時に、「こんな新鮮な魚が水揚げされる場所で、自分も生活をしてみたい!」という考えが浮かびました。
その想いのままに、半年後には移住をしてしまった、という訳なのです。
あれやこれやで2年が経った今も、毎日目にする魚の新鮮さに心躍りながら、漁師町での日々を過ごしています。

魚の旨味とは・・・

そんな魚を小さい頃から食べている地元の皆さんは、鮮度に非常に厳しい目と舌を持っています。中には、朝とれたばかりでまだ身がコリコリとしているものしか食べたくない、なんて極端な方も。

ですが魚の「旨味」が引き出されるのは、コリコリとした食感が無くなり始めてから、と言われています。魚は締めてから1日程寝かせると、「イノシン酸」という旨味成分が増加します。それを何日も繰り返して旨味を大幅に増加させる、「熟成」という方法が近年ブームにもなっています。

自分の店でも、1~2日程度寝かせたものをカルパッチョで提供しています。ソースに負けないような、旨味のある魚を提供することが目標です。味や食感などの好みにもよりますが、新鮮すぎるものが必ずしも素晴らしい、という訳ではないということです。

移住のきっかけとなった新鮮さを経て、次は自分で寝かした魚で感動してみたい。さぁ今日もせっせと魚を寝かせることにいたしやしょう。

今回はこれから旬を迎えるウマヅラハギを使ったカルパッチョのレシピをご紹介。肝を贅沢に使ったソースが味の決め手。

旬を迎えるウマヅラハギを使ったカルパッチョのレシピをご紹介

【ウマヅラハギのレバーカルパッチョ】

材料
・ウマヅラハギ 1尾
・味噌 大さじ1
・オリーブオイル 小さじ1
・すだち 1/2個
・ブロッコリースプラウト 適量

❶ウマヅラハギは三枚おろしにし、肝は取り分けておく。

❷肝をザルや濾し器で濾して血管を取り除く。身は薄く切ってお刺身に。

❸肝と味噌、オリーブオイルを和えてソースを作ったら、お皿に載せたお刺身にかける。仕上げにすだちとブロッコリースプラウトを添えて出来上がり。

肝と味噌の濃厚ソースがたまらない一品。すだちを絞って酸味を足すのもおススメです。ぜひお試しあれ。

魚料理研究家【昆布】

魚料理研究家。本名: 近森光雄、1993年東京都下町生まれ。

大学卒業後、魚屋に3年半勤務。旅行で訪れた富山県氷見のあまりにも新鮮な魚に一目ぼれし、2019年10月氷見へ移住。
地元の魚屋・漁師・料理人と語らいながら、日々魚料理の新たな可能性を素材と調理法の両面から研究中。

サウナを愛するあまり、スーパー銭湯の近くに住んでいる。

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