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2021.09.02

富山県氷見在住の魚料理研究家「昆布」による連載コラムvol.4

9月に入り、少しづつ日差しが柔らかくなって、秋が近づいてきたように感じます。
野菜の直売所を覗くと、夏野菜が減った代わりに、梨や葡萄、無花果などの果物が増えてきました。
心なしか、町を歩く人々の服装も、だんだんと秋めいてきたような。

そうやって寒さに備えて人が衣替えをするのと同じように、多くの魚も冬から春にかけての産卵期に備えて、栄養(脂)を蓄えていきます。
そんな脂乗りのピークを迎え、かつ多く漁獲されるようになった魚を、「旬の魚」と言います。

富山湾で獲れる一般的な秋の旬の魚は、カマスやカンパチ、キジハタなど。
脂乗りを活かすため、刺身や塩焼き、酒蒸しなどの、あまり手を加えないシンプルな料理がおすすめです。

地球温暖化により旬の魚が変化している・・・

とは言っても、近年旬にも変化が起こっています。
本来の旬の時期に、旬の魚が獲れなくなるケースが多くなっているというのです。

氷見の魚屋さんに聞くと、冬の旬のブリの、冬の漁獲量は年々落ちているものの、逆に夏の漁獲量が多くなっているとのこと。
更には、主に南国に分布しているシイラなどの魚の漁獲量が、年々増えているなんてことも。地球温暖化や様々な気候の変化により、季節ごとに漁獲される魚の種類が変わってきているのです。

そんな風に近年旬は大幅に更新されているので、今は何の魚が旬なのかわからなくなりがちです。
そんな時こそ魚屋さんの出番。毎日欠かさず魚の入荷を見ている魚屋さんこそ、魚の旬のスペシャリストなのです。

1年中安定して美味しい養殖魚の切り身パックを買うのもいいですが、これからは天然魚が美味しくなる季節。そんなスペシャリストたちに、旬の魚は何なのか聞いてみましょう。少しの調理でも十分美味しいお魚を、見繕ってくれると思いますよ。

今回は、旬の魚に合わせた、シンプルかつ永遠のスタンダードレシピの、煮魚をご紹介「白身魚の姿煮」

材料
・白身魚 1尾
・生姜 1かけ
・かぶの葉 2株分
・ごぼう 1/2本
・醤油 大さじ2
・みりん 大さじ2
・砂糖 大さじ1
・酒 大さじ6
・水 大さじ6

❶魚はウロコとエラ、内臓をとったら熱湯をかけてヌメリを洗い流します。

❷ごぼうは細切り、かぶの葉は一口大に切り、生姜は千切りにしておきます。

❸フライパンに全ての調味料と水を入れ、切った生姜を加えて火にかけます。

❹煮汁が沸騰したら魚と野菜を入れ、落とし蓋をして5分ほど弱〜中火で煮たら、
 落とし蓋を外して3分ほど煮詰めて出来上がり。

最初にヌメリを落とすことで、魚特有の生臭みがなくなります。どんな魚にもピッタリな万能レシピ。ぜひ旬の魚でお試しあれ。

魚料理研究家【昆布】

魚料理研究家。本名: 近森光雄、1993年東京都下町生まれ。

大学卒業後、魚屋に3年半勤務。旅行で訪れた富山県氷見のあまりにも新鮮な魚に一目ぼれし、2019年10月氷見へ移住。地元の魚屋・漁師・料理人と語らいながら、日々魚料理の新たな可能性を素材と調理法の両面から研究中。

サウナを愛するあまり、スーパー銭湯の近くに住んでいる。

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