気持ちの良い秋晴れが続いています。
心なしか高く感じる空の主役は、
入道雲から鱗雲に。
日差しは柔らかく、浜風は心地よく。
ツーリングやドライブの途中で
お店に寄ってくださる方も増えてきました。
今日はそんな方々と話していて
急にいてもたってもいられなくなってしまい、
僕も営業が終わってからすぐに店を飛び出して
車を走らせたのち、
今は海のそばの施設でこの文章を書いています。
ここは僕が氷見の中でもお気に入りの建物、
「九殿浜休憩施設」。
大浦漁港の中に位置する市営の休憩施設です。
施設の2階の座敷スペースの窓からは、
雄大な富山湾や立山連峰を眺めることができます。
それに加えて堤防の上で釣りをしている人の姿や
漁船や網などがハッキリと見え、
漁港の中で息づく人の営みがひしひしと感じられます。
富山湾がより身近に感じられる素晴らしい施設。
ぜひ一度行ってみてくださいね。
さてお魚も秋めいて、
近頃はカンパチやアオリイカの漁獲量が増えてきました。
これからカマスやカニやカジキなども旬を迎えると思うと、
どの魚を使ったら良いのやらと嬉しい悲鳴。
ただ心配なのは台風。
富山県に台風自体が直撃することは非常に稀なのですが、
台風が近隣の県を通過した際は
風や波は強くなり時化になります。
そうなると漁船はもちろん操業停止となり、
漁港に魚が並ばなくなります。
先日の台風17号の際は2〜3日ほとんど
氷見漁港に魚が揚がらず、
近くのお寿司屋さんや割烹料理屋さんは
数日お休みだったそうで。
高値ながらも魚を手に入れた当店は
なんとか営業を続けていましたが、
あと数日この状況が続いていたらかなり危なかった…。
こういう時は素直にお祈り!と、
海上安全と大漁をもたらす神様を祀る
「魚取社」を参拝してきました。
これ以上強い台風が来ませんように、
素晴らしい魚が大漁になりますように、
ついでに旨い魚レシピも思い付きますように。
ちょっと欲張りすぎたかなと反省しながら、
少し多めにお賽銭をしておきました…!
さて本日は脂の乗り始めた秋の魚を丸ごと食べるレシピ。
【白身魚のビネガーペッパースープ】
・白身魚 500g程度 1尾
・なす 1本
・玉ねぎ 1/2個
・ニンニク1片
・マコモダケ 1本
・白ワイン 50ml
・ローリエ 1枚・水 1ℓ
・オリーブオイル 大さじ1
・白ワインビネガー(無ければ穀物酢) 大さじ2
・塩 適量
・黒胡椒 適量
❶白身魚を3枚におろす。アラは塩を降って水分がでてきたらサッと洗って水気をふき取る。おろした身は一口大に切って全体に塩を振り、10分ほど置いたのち出てきた水分をふき取ったら、黒胡椒をまんべんなくふりかけ、ラップをせずに冷蔵庫の風があたるところで30分ほど置いておく。
❷ニンニクはみじん切り、玉ねぎは粗みじん切り。なすは賽の目切り、マコモダケは短冊切りにする。
❸鍋に水、白ワイン、ローリエ、アラ、玉ねぎの皮を入れ、強火にかけて沸騰させたら、弱火にしてアクを取りながら煮込む。
❹15分ほど煮込み、こし器でアラなどを濾したらアラ出汁の出来上がり
❺鍋を洗い水気をふき取ったらオリーブオイルを注いで中火にかけ、ニンニクを加えて香りが出るまで炒めたら玉ねぎを加える。
❻玉ねぎが透き通ってきたらナスとマコモダケを加えてサッと炒めたら、❹のアラ出汁を注いで沸騰しない程度に5分ほど煮る。
❼ ❶の切り身を加えて火が通ったら、ビネガーを加え、塩で味を調えてできあがり。
骨から出る旨味も逃さない一品。ぜひお試しあれ。
魚料理研究家。本名: 近森光雄、1993年東京都下町生まれ。
大学卒業後、魚屋に3年半勤務。旅行で訪れた富山県氷見のあまりにも新鮮な魚に一目ぼれし、2019年10月氷見へ移住。
地元の魚屋・漁師・料理人と語らいながら、日々魚料理の新たな可能性を素材と調理法の両面から研究中。
サウナを愛するあまり、スーパー銭湯の近くに住んでいる。