地球規模で深刻化する海洋ごみの削減に向け、富山モデルの対策が世界中で取り組まれる日が来るかもしれません。
「海と日本プロジェクト」や50億円規模の包括的な海洋ごみ対策
「CHANGE FOR THE BLUE」を進める日本財団が全国の自治体に先駆けて
富山市と海洋ごみ対策のモデルづくりを始めます。
27日、日本財団の幹部が富山市役所を訪れ、全国の自治体に先駆けて富山市とタッグを組み、海洋ごみ対策のモデルをつくる共同事業の概要を発表しました。
共同事業の柱は調査・分析、教育・啓発、そして、行動・実施の3つ。
まずは、川から海にごみが流れ出ている実態を調べます。
そして子供たちが海洋ごみについて学ぶモデル授業や
道路脇の排水溝などに啓発サインを掲示してポイ捨てをしないよう呼びかけます。
さらに市民一斉のごみ拾いや企業フォーラムの実施、地元のプロスポーツチームと
連携した全国発信が盛り込まれています。
中でも、とりわけ注目されているのが新年度、富山市がおよそ2000万円の予算を計上して海洋プラスチック対策に乗り出す新事業です。
「網場」の設置に向けた調査、検討
川幅いっぱいに浮きをつなげた網を張り、流れてくるごみを貯めて回収する仕組み。
土地改良区が管理している農業用水のポンプやダム湖の取水口の付近に設置されることが多く、富山市はこれを転用して、川から海に流れ出るプラスチックごみの削減に活用しようと考えています。
海洋ごみの多くは海外から流れ着いていると思いがちですが、
実は、海のごみの8割は川を通じて海に流れ出たものと言われています。
今回、日本財団が全国に先駆け富山市と進める共同事業で目指すのは、
地域レベルの海洋ごみ対策のモデルづくり。
その富山モデルは全国の自治体への水平展開、さらには世界への発信も視野に入っています。
【日本財団 海野光行常務理事 インタビュー】
「海洋の問題は人類生存の一番大きな問題としてこれからクローズアップされるので、
2020年は海洋の国際会議が目白押しになる。
そういう場で富山モデル、富山の事例を富山市民、もしくは市長がリーダーシップをとって発言してもらう、
外に出していく、そういったことを踏まえて取り組んでいってもらえたらありがたく、期待している」
※この記者発表の模様は、2019年3月27日「BBTプライムニュース BBTチャンネル8 2部」にて放送しました。