江戸時代から明治時代にかけて、全国各地を航海しながら商売をして活躍した北前船。北陸や東北で米や酒を仕入れて北海道で売り、北海道では昆布やニシンなどを積み込んで各地の港で販売し、大きな利益をあげました。富山は貿易の重要な拠点でもありました。
贅沢な材料をふんだんに使って造られた廻船問屋が残る街であり、馬場家もその一つです。馬場家は、江戸後期から活躍した北前船主・廻船問屋の家で、明治前期に七代目九兵衛が建てたとされています。当家は「岩瀬五大家」の筆頭に挙げられ、北陸の「五大北前船主」のひとつにも数えられています。
岩瀬地区の中でも、最大規模の造りとされ、木造2階建ての建物には、長さ30メートルの屋内通路や、33畳の広間など、当時の繁栄を今に伝える、豪華絢爛な造りが見どころとなっています。主屋のほかに、前蔵・壱番蔵・弐番蔵・米蔵なども現存しており、当時、北前船における廻船業がいかに盛んだったことが感じることができます。
2016年に国の登録有形文化財となったのを機に、2018年度から約2億円をかけて修復と耐震工事が実施され、ようやく今年1月より一般公開がはじまりました。一般公開では、北前船交易や馬場家の歴史を紹介するコーナーも設置されているほか、一部貸室も行っています。ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか?
馬場家/旧馬場家住宅
■場所
富山県富山市東岩瀬町107-2
■観覧時間
午前9時から午後5時(ただし、入館は午後4時30分まで)
■休館日
年末年始(12月28日から翌年1月4日まで)、臨時休館日
■観覧料
大人 個人100円、団体(20名以上)90円
森家・馬場家共通観覧券
大人 個人180円、団体(20名以上)160円
※高校生以下無料
※その他各種割引がありますので、窓口にてお尋ねください。